日本材料学会 マイクロマテリアル部門委員会

委員長 磯野吉正 (神戸大学)

新着情報

  • 2016年12月15日 分子動力学部門と合同で第51回マイクロマテリアル部門委員会(講演会)を開催します。

  • 2016年5月27日 富山大学 五福キャンパスにおいて,分子動力学部門と合同で「マルチスケール材料力学シンポジウム」を開催しました。

  • 部門概要

     半導体素子の微細加工技術と機械工学を結集したMEMSは,航空・宇宙から携帯電話やビデオゲームなど広い分野の基盤技術であり,新しい産業分野として世界的に活発な研究・開発競争が行われている。

     このMEMS研究において,微小機能機械要素や加工技術についてはかなりの研究が行われているが,今後の発展には新たなMEMS用微小材料の開発とともに耐久性と信頼性および総合的なMEMS機能の計測・評価および設計に必要な材料定数データーベースが求められている。この材料は従来のバルクの材料定数ではなく,材料寸法がμmからサブμmと微小かつ薄膜製造技術に基づく材料定数でもある。従って材料科学,加工法,評価法等を含んだ総合的な立場からの製造・加工技術も含めて検討する必要がある.

     この機能材料はカーボンナノチュウブやシリコン,純金属,合金などから金属間化合物,金属ガラスなどのナノワイヤーが電子部品に応用されはじめ,その微細化・複合化と新機能発掘・創生は日進月歩である。また,それらの製造・加工法や計測・評価法も同様である。しかし,これらのほとんどが世界的なコンセンサスを得ておらず,引張や曲試験法すらもここ数年に国際標準化されたものである。材料・機能の開発と実用化の今後の発展には計測・評価技術の系統的な整理と国際的なコンセンサスの確立が緊急の課題でもある。

     当マイクロマテリアル部門委員会は,以上に述べた理由から以下の5分野に重点を置いて活動を展開している.ここで言うマイクロマテリアル,マイクロエレメントとは,その最小寸法がマイクロメートルあるいはナノメートルオーダーのものを指し,寸法の微小化と薄膜製造方法に基づく未知の材料の問題点と機能を解明するとともに,その応用・展開の知識と可能性を研究することが目的である。

            1.       微小材料理論

    微小材料の製造理論,物性・強度評価に対する従来の材料力学や破壊力学の適用範囲,分子動力学法等のシュミレーション理論の適用研究

            2.       微小材料加工法

    スパッタリング,メッキ,マスキング,リソグラフィなどのプロセスと電子ビーム,集束イオンビーム (FIB)等の加工法の研究

            3.       微小材料計測法

    ナノインデンター,スキャニングプローブ顕微鏡,ラマン散乱,イオン顕微鏡,FESEMによるEBSDやEDX,微小材料試験機などの最新の試験・計測・分析手法および種々の試験環境境による影響,AFMナノフラクトグラフィなどの研究     

            4.       微小材料評価法

    微小材料の計測法を用いた微小材料の機能・機械的特性や耐久性・剥離強度評価法,および材料特性のデーターの集積,設計基準等に関する研究

            5.       微小材料,マイクロエレメント応用技術

    微小材料の成型・集積・積層による機能と耐久性創製などによる実MEMSデバイスへの展開

    の分野が研究対象となる.
    活動は年2〜4回の委員会を開催し,上記5分野にまたがる話題提供と研究討論,研究設備見学を行っている.

    マイクロマテリアル研究は,材料の製造即ち組み立てであり,製造プロセスによっても同じ組成でも従来の材料学研究とは一線を画した新規の考え方,アプローチを必要とし,従来の材料学の常識を覆す新材料,新機能の発見にもつながる未知の分野でもある.また,計測・評価法も従来材料にも適用できる新たな手法が次々と提案されている他分野にも展開できる情報が得られる分野でもある。関心の向きは是非とも当部門委員会に参加されることを切望する.なお,部門委員会委員に対しての資料・通信費の負担はない.また,事務連絡,議事録送付等は原則として電子メールおよびホームページ (http://micromat.jsms.jp/) で行っている.